映画メモ:太平洋の奇跡−フォックスと呼ばれた男−

具体的な話はWikiで良いとして、私が個人的に感じた感想を記載しておく。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E5%B9%B3%E6%B4%8B%E3%81%AE%E5%A5%87%E8%B7%A1_-%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%81%A8%E5%91%BC%E3%81%B0%E3%82%8C%E3%81%9F%E7%94%B7-

ある強大な力が侵食を始めた時、個人としてどの様な基準で決断を下さなければならないのか。
統率する人の場合は、どの様な基準で決断を下さなければならないのか。
立場が変われば、行動様式も当然変わりますね。

原作と映画は異なる。
といった情報をWikiで見たので、「うーん、こりゃ映画だけで判断するのもなぁ。」とは思うのですが、
映画だけから受け取った感想だけを書く事にします。

<人物>
・大場栄 大尉(別名:フォックス)
 512日間サイパンにて米兵を翻弄し、47人の兵で戦い抜いた統率者です。
 彼の当初の価値観は、一人でも多くの米兵を殺す事でしたが、
 事態が進むにつれ、一人でも多くの日本人を生かす事に力を注ぎます。

 その為、例え自分の価値観に反した行動であっても、その人の最善の選択肢を決断します。
 合理的と言えば合理的ですが、相手の気持ちを思いやる姿勢がある為、
 人々はその決断に従う事が出来るのだろうね。

 しかしながら、兵士の場合は状況が異なる。
 彼は、降伏は兵としては行わず、上官の命令であらば降伏する姿勢を見せます。
 彼は彼なりの兵としてのプライドがあり、そこは譲れなかったのだろう。

 最後に、
 200人以上の人を統率し、情報伝達手段は「人」、その様な状況でやり抜いた彼は、
 誰かの為だからこそ継続する事が出来たのではないでしょうか。

・堀内今朝松 一等兵(別名:サイパンタイガー)
 近寄りがたい風貌の人物であるが、自身の正義に基づいて行動する人物です。
 人情味溢れる人物であった為か、数々の個人的な懇願を受け容れ、即時行動を起こします。

 映画の中では看護師、青野の医薬品を収容所から盗む手助けをし、
 その際に米兵と銃戦になり戦死しますが、彼の行動は一番理解し易く、又、一番困難な行動である。

 大場大尉とは異なる一等兵の存在が、大場隊には必要であり、
 堀内一等兵が配下から慕われたのは、
 「この人に頼めば何とかなる。」といった希望だったのかも知れない。
 ※勿論、願う本人の強い意志がなければ、彼は協力をしないのは言うまでもありませんが。

<まとめ>
価値観というのは、人それぞれ異なります。
貴方が好きなものが、隣の人が好きとは限らない様に。
貴方が幸せというのが、隣の人が幸せとは限らない様に。

だから、こうしたいつ自らの命が尽きるか解らない状況に人間が置かれた時、
その価値観によって、多くの行動様式が生まれます。

統率者は、例え自分だけの価値観が許したとしても、
大多数が善である行動ならば、その行動を選択せざるを得ない。

決断するには、物差しがなければならない。